野沢菜といえば、信州のご当地食材として有名ではないでしょうか。
野沢菜は、長野県下高井郡野沢温泉村を中心とした信越地方で栽培されてきた野菜で、一般的には野沢菜漬けの方が馴染み深いかもしれません。
信州の冬には欠かせない食材となっている野沢菜漬けは、高菜、広島菜とともに日本三大漬菜に数えられているほどです。
野沢菜が信越地方に広がったのは、約266年前の宝暦6年に、、長野県内の野沢温泉村のご住職が、京都から天王寺かぶを持ち帰り、植えたのが始まりといわれています。
ところが、京都の暖かい地域で育った天王寺かぶは、標高600メートル近くもある信州の野沢温泉村では、カブの主な可食部の根が育たず、葉と茎だけが大きくなりました。
ですが、その葉と茎の味が美味しいと評判になり、地名の「野沢菜」を付けて広まっていったのです。
11月に収穫を迎える野沢菜ですが、寒くなって霜が当たると甘く柔らかくなるため、その後に収穫作業が行われます。
収穫後は、丁寧に1枚ずつきれいに洗ってから大量の野沢菜を大きな桶で漬けます。
1ヵ月後の年末年始頃になれは乳酸発酵が進み、べっこう色になった野沢菜漬けの味は本当に絶品です。
ちなみに野沢菜には、ビタミンCやβカロテンが多く含まれ、風邪予防や、現代の食生活に不足しがちな食物繊維も豊富で栄養満点なんです。
また、野沢菜漬けは乳酸菌をたくさん含んでいて腸内細菌のバランスを保つ役割も担ってくれるので、アンチエイジング効果も期待されているんです。
ここでは、野沢菜漬けを使った美味しい料理と食べ方をご紹介します。
野沢菜漬けを使った美味しい料理の豚肉チャーハン
野沢菜と豚肉の食べ応え抜群の焼き飯です。鷹の爪でピリッとして食欲が増します。
(材料)2人分
- 豚肩薄切りばら肉 100g
- 野沢菜 1/2袋(約150g)
- 温かいご飯 茶碗2杯分
- 塩こしょう 少々
- しょうゆ 大匙1
- サラダ油
①豚肉は幅1cmに切り、塩こしょうをふって下味をつけておく。
野沢菜は細かく刻み、水けを堅く絞る。
②フライパンにサラダ油大さじ1と鷹の爪を入れてから火をつけ、豚肉をほぐしながら炒める
③焼き色がついたら、野沢菜を加えさらに炒める。
④ご飯を加え、ほぐしながらさらに3分炒める。
全体がパラリとしてきたら、しょうゆ大さじ1を回し入れ、火を止めて器に盛る。
お子さまが食べるときは、鷹の爪を抜いて作ってあげてくださいね。
また、出来上がったチャーハンを薄焼き卵で包んで、和風のオムライスにしても美味しいです。
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野沢菜漬けごま油炒め
次にご紹介するのは、ごま油香る野沢菜の油炒めです。
香りのよいごま油と野沢菜漬けの塩気が合わさり、とってもおいしいですよ。
ごはんのお供や、おつまみにもぴったりです。
(材料)
野沢菜漬け 150g
ごま油ごま油 大さじ1
いりごま 大さじ1
①野沢菜漬けは軽く水洗いし、水気を絞り、あらく刻む。
②フライパンにごま油を熱し、野沢菜漬けを炒める。
③火を止め、いりごまを振りかけたら出来上がり。
野沢菜漬けを使った美味しい食べ方とは
そのままでも十分美味しい野沢菜漬けですが、アレンジ次第で新たな美味しさに出会えます。
(おにぎり)
野沢菜漬けとカリカリ梅をみじん切りにして、ご飯と混ぜ合わせます。
梅の歯ごたえがアクセントのさわやかなおにぎりです。
(玉子焼き)
たまご3個に対して、刻んだ野沢菜漬けを大さじ2加えて玉子焼きにしてみてください。
野沢菜漬けの歯ごたえが心地よいです。
(チヂミ)
刻んだ野沢菜漬けと卵、小麦粉、水を加えさっくり混ぜ合わせる。
多めの油を入れたフライパンを熱し、生地を流し入れ、ミックスチーズをたっぷり振りかける。
フライ返しで押さえつけながら、両面をこんがり焼く。
ちなみに野沢菜漬には、新漬けと古漬けがあるのをご存知でしたか?
新漬けは、いわゆる浅漬けと同じで、漬け汁に数日漬け込むだけのもので、一般にスーパーなどでよく見かけるのはこのタイプが多いです。
しかし、長野県ではべっ甲色をしたものが出てくることがあります。
管理下の元、乳酸発酵するまでじっくりと漬け込まれたものは色も変わり風味も複雑で奥深くなります。
こうしたものを古漬けと言います。
信越地方では、この古漬けが定番で「本漬け」と呼ばれて親しまれています。
古漬けは、そのままたべられているのはもちろん、塩抜きをして、しょう油と砂糖で甘辛く炒め煮にリメイクされて食べられたりもします。
信州名物の「おやき」の具材などにもなってますが、ご存じでしょうか?
まとめ
信州のご当地食材として有名な野沢菜漬け。
高菜、広島菜とともに日本三大漬菜に数えられていて、長く愛されています。
そのままでも十分美味しい野沢菜漬けですが、アレンジ次第でさらに野沢菜漬けのバリエーションが広がります!
豚肉と合わせてチャーハンに、相性のいいごま油と炒めて、ご飯やお酒のお供に。
また、トーストやお好み焼き、オムレツ、ラーメンなど、アレンジは無限にあります!
本場長野でよく食べられている野沢菜漬けは、お茶とセットで出されることが多いです。
野沢菜、緑茶ともにビタミンCが沢山入っていますが、一緒に摂取することにより、お互いの相乗効果により抗酸化作用がアップするのです。その上、ストレスを緩和してくれる役割まであると言われています。
長寿の県で有名な長野ですが、野沢菜とお茶の組み合わせも長寿の要因であると考えられているのです。
少しでも参考になれば嬉しいです!
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