今回は9~11月に旬となる鮭についてご紹介していきます。
鮭は秋刀魚と並び秋の味覚を代表する魚です。
秋鮭は実に一般的な鮭で、秋の産卵で 漁獲された鮭のことをいいます。
鮭の身は赤いですが、実は白身魚の部類なんです。
エビやカニを餌として食べていくうちに赤くなるのです。
一般的に鮭は川で生まれ海に下り、数年かけて大きくなってからまた生まれた川に戻っていきます。
このことを母川回帰といいます。
川を上る鮭を熊が捕獲しているイメージがあるのではないでしょうか。
では、鮭はなぜわざわざ大変な思いをしてまで生まれた川に戻ってくるのでしょうか。
そして海から戻るのは何年後なのでしょうか。
鮭は本当に生まれた川に戻ってくるのでしょうか
鮭は川で生まれてから、餌の豊富な海へ移動し、
再び故郷の川をさかのぼって帰ってきます。
鮭が生まれた川に戻ってくるのは、繁殖のためです。
川は大きく荒れることが少なく外敵が少ないため、海よりも産卵に適しているのです。
しかし一口に戻ってくるといっても、距離にして1300~1400キロメートルともいわれる長旅です。
鮭は本当に生まれた川に戻ってくるのでしょうか。
鮭の回遊経路は、いまだ謎に包まれています。
この長い道のりを、途中で迷子にならずに戻って来られる理由にはいくつか説があります。
もっとも有力な理由は、いわば「におい」説です。
この説によれば、鮭は自分が生まれた川のにおいを覚えていて、これを頼りに戻って来るのだといいます。
鼻詰めされた鮭は生まれた川へ帰れなくなったという実験結果もあります。
川のにおいとは、数十種類のアミノ酸の組成によって決まるそうです。
そのほかにも、太陽コンパスを利用する説、磁気を感知する説、海流に乗り移動する説などがありますが、
はっきりしたことはわかっていません。
また、稚魚が生まれた川に戻れる確率は1パーセント未満だそうです。
外敵に襲われた、人間に捕獲された、病気にかかったなどの理由で多くの稚魚は帰って来ることができないのです。
鮭は海に行って何年後に川に戻ってくるのでしょうか
では、鮭は海に行って何年後に川に戻ってくるのでしょうか。
そもそも鮭にはいくつか種類があります。
食卓によく出てくる白鮭、カラフトマス、紅鮭、キングサーモン、サクラマス、銀鮭、ニジマスの7種類です。
なので、川に戻ってくる周期はそれぞれ種類によって異なります。
白鮭は孵化後海へ下り4年ほどで母川へ戻ります。
カラフトマスは成熟年数が短く、海へ下っても2年で母川へ戻ってきます。
紅鮭は湖で孵化し、1~3年ほどその場で過ごしてから海へ下ります。
さらに海で2~4年ほど生活した後、生まれた湖へと帰ります。
キングサーモンは孵化後2つのタイプに分かれます。
1つは孵化してすぐに海へ下るタイプ、もう1つは1~2年は生まれた河川で過ごし、
その後海へ下るタイプです。どちらも海で2~5年ほど過ごした後、母川へと戻ってきます。
サクラマスは河川で孵化してから1年半後の春に海へ下り、1年間海で過ごしてから春に母川へ戻ります。
銀鮭は河川で孵化した後1、2年をそこで過ごし、海で2~3年回遊してから再び母川へと戻ってきます。
ニジマスは魚類の分類体系における鮭属に含まれますがほとんどが海へ下ることなく川に残ります。
鮭は4年周期で豊漁と不漁を繰り返すと言われているので、
全体を平均的にみると鮭は海に行ってから4年後に川に戻ってくるということになります。
まとめ
|
さて、今回は鮭の不思議な生態について紹介させていただきました。
鮭は川で生まれてから、豊富な餌を求め海へ移動し、成魚になったら
再び繁殖のため故郷の川へ帰ってきます。
においを頼りに戻ってくるという説がありますが、鮭がにおいを嗅ぎわけられるなんてびっくりですよね。
しかし無事に母川に戻れるのは1パーセントにも満たないなんて、過酷な旅ですね。
海に行ってから4年後に川に戻ってくるそうです。
これから旬を迎える秋鮭、長旅を労いつつおいしく召し上がってみてはいかがでしょうか。