日本大学付属病院の建替え工事に関する背任事件が報じられています。
この事件の背景や状況についてみていきます。
目次
日大付属病院工事の背任事件、状況は
この事件は、既に背任容疑で逮捕された日大理事の井ノ口忠男容疑者(64)が、大阪市内の医療法人グループ・錦秀会の前理事長である籔本雅巳容疑者(61)に対して、当該工事の設計業者選定に関する情報を漏洩していたことが明らかになったものです。
これを受け特捜部では、意中の業者に受注させるために籔本容疑者も選定段階から積極的に関与していたとみて、経緯を調べています。
井ノ口容疑者は、逮捕前における任意の事情聴取に対して、背任容疑を否認していたようです。これに対し、特捜部は井ノ口、籔本両容疑者の認否について明らかにしていませんが、井ノ口容疑者は逮捕後も否認を続けており、籔本容疑者も違法性について否定しているといわれています。
日大付属病院工事の背任事件、背景と経緯は
関係者によれば、井ノ口容疑者は昨年、日大医学部付属板橋病院の建て替え工事を請け負う業者が決まる以前に、ネットの通信アプリで「価格を探ります」などとメッセージで送信し、日大側の契約の条件などについて報告していたようです。
井ノ口容疑者はまた、籔本容疑者の了承を得た上で都内の設計会社を選定する手続きを進めていったとみられています。
この案件については、日大板橋病院の設計業者選定は総合評価を競うプロポーザル方式で実施され、井ノ口容疑者が日大関係者らに指示して評価点を改竄し、都内の設計会社を受注させた疑いが持たれています。
の後、日大から設計会社に振り込まれた着手金(7億3千万円)のうち2億2千万円が籔本容疑者保有のコンサルタント会社に送金されたことが明らかになっています。
まとめ
・日大付属病院の建替え工事に関する背任事件が明らかに
・籔本容疑者は井ノ口容疑者の犯行に加担した共犯として逮捕された
・特捜部は、籔本容疑者も設計会社を介した不正な資金流出に関与した疑いが濃厚と判断し、捜査を進めている
日大付属病院(東京都板橋区)といえば、総合診療・治療を担うしっかりとした診療機関として、地域でも長年にわたり信頼されてきました。
その病院を舞台に、今回のような不正事件が明らかになったことは残念です。
一刻も早く全容を解明し、立て直しを図っていただきたいものです。
最後までお読みいただきありがとうございました。